前回は春の体の反応についてお伝えしましたが、今回は気持ちの変化について書いてみます。
春の気(エネルギー)は上に上に昇ります。
冬の間に土の下で隠れていた物がにわかに吹き出す様に…。
人の情緒にも同じ事が起こります。
通常は春の明るい日差しを浴びると何だかウキウキとした気持ちになります。
春物の服を見に行きたくなったり、何か新しい事をしてみたくなるのも
このエネルギーから言えばとても自然の流といえます。
ただ天気と同じで春の気はとても不安定です。
ウキウキしていたかと思えば、急にどんよりとなったりとその変化が著しいです。
朝、良い天気だったので、すごく張り切って洗濯機を何度も回し冬物の服やシーツなどを洗濯してみたけど、
午後にはすっかり疲れてしまってガックリ来てしまうと言う様な事を私も毎年繰り返しています
また春の強い風が地上の物をかき乱す様に、
人も訳もなく胸がそわそわ、ざわざわとする事も良く起こります。
道や電車で大きな声で独り言を言う人が増えるのもこの時期です。
冬の間には抑えられていたエネルギーが春には思わず噴出してしまうのです。
かと思えば、とにかくダルイ、やる気が出ない、眠いと言った声も良く聞かれます。
この春の変化について行くのにエネルギーを消耗してしまうと倦怠感が出てしまうのです。
そんな時は、どうか無理をしないで休んで頂きたい。
中国伝統医学書に季節の過ごし方が書かれている件がありますが、
春については決して抑えつけずに伸び伸びと、ゆったりと過ごす様にとあります。
実は春のエネルギーはストレスにとても弱いのです!
この頃に抑圧してストレスを溜めると夏以降に不調が出やすくなります。
ただ日本の春は新学期、新年度と何かと予定が立て込む時期でもあります。
だからこそ、意識的に余裕を持ってスケジュールにのりしろを作って頂きたい。
私も何も予定の無い春の日に、
洗濯物がそよそよと揺れているのをぼんやりと眺めているのが、とても好きです。