食べる事が大切な胃腸の弱い人

梅雨時や夏はどうしても胃腸が弱りやすいですね。

特にもともと胃腸が弱い脾虚(ひきょ)体質の人はどうしても体調が今一つな感じになりやすいです。

そこで今日はこの胃腸の弱りやすい体質について東洋医療の観点から書いてみたいと思います。

以前にもお伝えしたとおり、脾(ひ)と言うのは実際のどの臓器と言うより、東洋医学では消化、吸収を担当する機能全般を意味します。

だから胃や腸、膵臓などを含め、外から食べた物、飲んだ物の消化、吸収に関わるすべての機能を総称しています。

そしてその機能がもともと弱い体質を脾虚体質と言います。

 

同じ脾虚体質でも厳密には細かく分けられますが、大雑把に分類すれば、

わりに体力があって体に熱がこもりやすい陽性

体力があまり無く冷えを感じる陰性に分けられます。

 

陰性タイプは食も細く、痩せ型で、胃腸の症状(痛み、張り、下痢、便秘など…)が直ぐに出るので自覚している場合も多いですが

陽性タイプは食欲旺盛で体調もそれほど崩さないので自分が胃腸が弱いと自覚している人は比較的少ないです。

 

ただそれでも色々と症状は出ています。

例えば、よく下痢をしたり、ジュクジュクとした吹き出物が出たり、副鼻腔炎になったりします。

この陽性タイプは熱を体(特に胃)に溜めやすいので、のぼせたり、汗っかきな事も多いです。

そして沢山食べる割にはバテやすかったりもします。

 

どちらのタイプも共通して言えるのは、ストレスや疲れで体調が悪くなると、食欲不振、過食、胃痛や胃の張り、下痢、便秘など消化吸収機能に異常が起きる事です。

さらに特徴の一つとして、疲れると手足がだるくなる傾向があります。

梅雨時の湿気や、夏の暑さで弱ってくると全身の倦怠感も出ますが、特に手足がだるく、身の置き場のない感じがすると言われる方も多いです。

そして体の特徴としては、肌がやや黄色っぽく、肌質がしっとりしていて、少しユルユルしていたり、ポニョポニョとしていて、浮腫みやすい傾向があります。

また内出血しやすく、気付かない内に体に打ち身などによるアザができている事も多いです。

 

性格的には、大らかで明るい傾向があります。

脾は5行(木火土金水ですべてを分ける東洋思想)では土で、土がどの種でも分け隔てなく育てる様にえり好みや、こだわりが少なく、集団の中にあってもいつもニコニコしながら皆の話を聞いているタイプが多い様です。

ただ元々エネルギーが少ないので、一方的に元気な人の話を長く聞いていると後からどっと疲れが出たりします。

また、当人も話好きではあるのですが一度に長く話したりすると疲労します。

私も初診の患者さんが続いて沢山説明したり、また講座などで何時間も話した日の夜にエネルギー切れになったりします。

 

一方で、五行の思想で脾のタイプの感情的な特徴に『思う』があります。

これは、性質として特に不調になった時に、考え込んだり、思い悩む傾向があると言う事ですが、私が治療を通じてお話を伺っている中でもこの傾向はある様に感じます。

例えば、このタイプの人は、寝る前などに人と会った事を思い返して『言葉が足りなかったかな~』とか『一言多かったかな~』などとクヨクヨと考える事がよくあります。

ただ健全な状態であれば滅多に次の日までに持ち越さないで、すぐ忘れてしまいますが…。

そしてあれやこれやと、まとまらない事をいつもクルクルと考えているのもこの脾虚の特徴です。

特に不調になるとこの傾向が出やすいようで、思考の中に入り込んでますます胃腸が不調になると言う訴えをよく聞きます。

 

また、このタイプは元々食べた物を消化吸収する力が弱いので、どうしてもエネルギーが不足して直ぐに疲れてしまう傾向があります。

いわば燃費の悪い車の様なものです。

だから脾虚タイプは食べる事がとても好きだし、食べる事をとても大切にしています。

しっかりエネルギー補給をしなければ直ぐにバテてしまう、と言う意識がいつもどこかにあります。

私もこのタイプだから良くわかります。

時々体質の違う人で、忙しいと食事をするのを忘れてしまう人がいますが、これは私からしたら考えられない事です。

たいていの場合、どんなに忙しくても時間が来れば、まず食べる事を考えてしまうからです。

 

そして、この食べなければバテてしまうと言う危機意識からなのか、このタイプはストレスを食べる事で解消する傾向がとても強いのです。

帰宅後ストレス食いで一気に食べてしまったり、緊張した席で落ち着かせるために沢山食べたり飲んでしまったと言う様な事もよく聞きます。

だからこのタイプが一番気をつけて欲しい事は、食べ方、飲み方です。

もともと消化吸収力が弱いのだから一気に沢山飲み食いして、負担をかけない事が何よりも肝心で、腹八分を心がけて、後一口食べられる所でやめておくのが大切です。

なぜだか、空腹である事は不快で、長く続いてはいけない状態だと思い込んでいるふしがありますが、一度落ち着いて本当にそうなのか、感じてみると良いと思います。

疲れや不安等のストレスを埋めるために食べていないだろうかと…。

体調がよい時ほど穏やかな食欲があるはずですから、もし切迫したように空腹感を感じたら自分が今、何にストレスと感じているのか、また体の疲れを食べる事で切り抜けようとはしていないかを冷静に見つめて欲しのです。

特に陽性のタイプは食べ過ぎたり、飲みすぎたりして一旦胃に熱がこもってしまうと、強い食欲が出て味の濃いものや甘い物、コッテリした物を常に食べたくなってしまいます。

でもこれは健全な食欲ではないので、一旦この熱を冷ましてあげる必要があります。

その時にはスイカやキュウリなど余分な熱を取ってくれる夏野菜が効果的です。

 

それでも、どうしても過食を繰り返してしまうときは、その奥にある自分の抑圧した思いにきちんと向き合って根本的に解消する事が何よりも大切だと思います。

この時は、カウンセリングやセラピー等でプロのサポートの中でじっくりと自分に向き合いながら改善していく事をお勧めします。

脾虚タイプにとって食べる事は生きる事、健全な状態で食べる事を楽しんで行きたいですね。

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